2012年10月3日水曜日

『きっこりんが読む』 (その1) ~第3回の俳句から~



『きっこりんが読む』

(その1)

~第3回の俳句から~


恵本俊文

句集団【itak】幹事の恵本です。
仕事の関係で、渡島管内の木古内町駐在となり1年半ほど経ちました。
3回目のイベントに参加できなかったためまっさらなところから選句して、
気になる句を鑑賞してみようと思います。たぶん脱線しますが。
何より音楽が好きなので、初回は「音」にまつわる3句です。


 





オルゴヲルと書かれし箱に秋の声

 

古い箱。もしかしたら、いまは箱だけなのかもしれませんが、どんな曲を奏でるのか
とても気になります。「浜辺のうた」など唱歌だろうか。ねじを巻きけば、音がこぼれて
くるのでしょうか。徐々にテンポが遅くなるころ、いつも切なくなってしまいます。
もし壊れていても、音は心に響いてきそうな、そんな秋。

 
 
  
秋に入るラジオの熱き腹をなで
 
 
 
これまた古めの、きっと真空管ラジオでしょう。
ぼくが子どものころには、海外放送を聴くBCLというのがはやっていて
雑音の中、海外から送られてくる短波放送局の番組に耳を傾けたものです。
当時はもうトランジスタが普及していたので、ラジオの腹はそれほど
熱くありませんでした。
オーディオのアンプには、いまも真空管のものを使っています。
これは熱くなります。たまあに、手をかざして、あたってみたりして。
聴こえてくる歌や声もまた温かく感じるのは、気のせいでしょうか。
秋の夜長にラジオ、ぴったりです。

 


唄声に染まる江差の九月かな

 

江差で唄といえば「江差追分」。歌い手が集う全国大会が毎年九月に開かれて
おり、今年は50回記念大会でした。昨年、大会に行ってきましたが、マチは
確かに追分に染まっていました。 わがマチに、全国に誇れるものがある
のは素晴らしいことです。北海道の誇りとも言えるかもしれません。

この年(46歳)になって、少しずつですが、民謡の良さが理解できる
ようになってきました。でも奥が深く、入っていくと迷いそうで、ちょっと
怖い気がしています。

 
それにしても、これという自慢できるものがある町はいいなあ。




(つづく)

 

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