2013年4月29日月曜日

第3回週俳十句競作・落選展 句評(4)の4 渡辺とうふ



 第3回週俳十句競作・落選展 句評(4)の4 渡辺とうふ



久才さんの句は北海道の人ならではの言葉がたくさんでてきます
モヨロ人、凍裂、冬ばん馬、知床岬
それらのイメージと意外なイメージとの取り合わせにチャレンジしていらっしゃいます
その取り合わせの感覚がシリアスなのかユーモアなのか
なんともいえないところがあって
久才ワールドにとても惹かれます

さて、ちょっと久才さんは気をわるくされるかもしれませんが
こまかいところ僕だったらこうするかなあというのを
書いてみましょう

 軒氷柱うな垂れ歩く去勢犬 → うな垂れ歩くや
 流氷の底に隠れしモヨロ人 → 隠れて
 凍裂の音と遠くの交通死 → 凍裂の音して遠く交通死
 へそ曲がり箒で正すカーリング → へそ曲がり箒で躾けるカーリング
 公魚の光の穴は地獄行き → 公魚を光の穴より釣りにけり
 冬ばん馬野次も怒声も念仏に → 冬ばん馬野次に混じるや念仏も
 地吹雪や演歌の二人どさ回り → 地吹雪を
 雪しまく庭真っさらにカレーそば → 雪しまく今は無心のカレーそば 
 氷海を追って知床岬かな → 氷海を追って貴女の知床岬へ

最後の句はさすがに手が出せません

ただこうして僕なりにしてみると久才ワールドが損なわれる気もします
参考までにということでお許しください

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