2013年9月21日土曜日

俳句集団【itak】第9回イベントを終えて

 
俳句集団【itak】第回イベントを終えて
 
五十嵐 秀彦


 
 
 
俳句集団【itak】のイベントも今回で第回。
隔月開催なので、旗揚げから1年半が過ぎたわけです。
 
わたしたち【itak】は、活動を開始したころから漠然とではありましたが、青少年の俳句という方向性も持ちたいと思っておりました。
まあ言うなれば、温めていたアイデア、というようなものです。

 
活動を開始した昨年のこと、6月に俳句甲子園の北海道大会がありましたが、そこで札幌の琴似工業高校の生徒さんたちと出会いました。
さっそく【itak】のことを伝えたところ、顧問の佐藤啓貢先生が興味を示してくださって、確か第回イベントから生徒さんを連れて参加してくれたのでした。
当初の漠然とした、企画にもなっていないようなアイデアが、琴似工業高校文芸部との出会いから次第に具体化し始めたのです。
彼らは試験で忙しい時期などを除けばほぼ毎回のように句会に参加してくれて、高校生のいる句会というのが、私たち【itak】の大きな特徴にもなっていきました。 
そして今回、句会の前の一時間枠の第1部をまるまる琴似工業高校文芸部にお任せをするという大胆なイベントを敢行しました。
 
研究発表会のタイトルは「石狩の句会・尚古社の歴史 ~伝説の俳人・井上伝蔵~」。
尚古社とは、幕末に石狩で結成された俳句結社。秩父困民党残党の井上伝蔵が明治20年代に同結社で俳人として活躍していたことでも有名。現在は石狩市に私設資料館があります。琴似工業の文芸部はこの尚古社と井上伝蔵に関して研究を続けています。
 
彼らは文芸部のこれまでの活動を模造紙に書き出したものや、活動の写真などを壁に貼りめぐらして、道立文学館地下講堂はあたかも学校祭の教室のような風景となりました。
そして6名の高校生たちが正面に並び、会場を埋めた50名の参加者にも怖じることなく堂々と発表をしてくれたのです(抄録は後日ブログにアップいたします)。
部活動の紹介を、N.T.さん・H.Kさん・F.M.さんたち、そして文芸部の研究テーマである石狩の尚古社に関する研究発表をS.K.さん、S.Eさん、W.F.さんが担当。
親子以上に、あるいは孫と言ってもいいほどに齢の離れた高校生たちの初々しい発表を大人たちは、微笑ましく、というより、驚きとともに聴き入ってしまいました。

 
学校の勉強のかたわら、俳句だけではなく川柳、短歌、エッセイ、小説と文芸と呼ばれるもの全ての創作活動を行い、図書室で歌会や句会をしたり、平取町まで吟行に行ったりしているだけでも驚きなのに、大人顔負けの尚古社研究や作家研究を深めて、「風花舞」という立派な文芸部誌まで発行している。
なんという柔軟さ、なんという集中力だろう。
おそらく会場に来ていた人の多くがそう思ったに違いありません。 
本来ならば尚古社研究を中心的に行ってきた3年生が発表したかったようです。
残念ながら3年生諸君は就職活動期間に重なってしまい、今回は2年生を中心とした発表となったとのことで、そのせいか発表者にやや緊張も見られましたが、いやいや、なかなか立派なものでした。
「いまどきのこどもたちは・・・」なんてセリフを安易に言うことはできないな、と思ったり、文芸の停滞の理由を「少子高齢化」のせいにしたりするのはもうやめなくちゃならない、とも思ったのでした。
 
この高校生企画は、これからも学校側と相談しながらできるならば年一回の定番企画にしていきたいものです。
また、琴似工業に限らず【itak】は意欲ある高校生諸君に門戸を開放しています。うちの文芸部で発表したい、とか、句会に参加したいという高校、大歓迎です。いつでも連絡してください。
 
部企画はそんなわけで50名という参加者を集め、その後の第2部句会も42名という大句会となりました。
参加くださいました皆様、お疲れ様でした。また次回もよろしくお願いいたします。
俳句集団【itak】のイベントは隔月(奇数月)の第2土曜日に、中島公園の北海道立文学館で開催されています。どなたでも参加できますので、このブログ等を読んで興味をお持ちになったなら、ぜひ気軽にいらしてください。
オープンな雰囲気の中で、刺激的な講演等の企画や、気楽な句会を楽しみましょう。
そして「俳諧自由」をみんなで体験してみようではありませんか!


 
 
 

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