2014年8月27日水曜日

第15回俳句集団【itak】イベントのご案内(再)


第15
回俳句集団【itak】イベントのご案内(再)です。


俳句集団【itak】事務局です。
風はすっかり冷たくなり、季節は秋に移ってまいりました。

各地で災害が発生し、心配な状況が続いております。
どうぞみなさま、いろいろとお気をつけになってくださいませ。

第17回松山俳句甲子園も無事終了し、旭川東高校は善戦。
http://itakhaiku.blogspot.jp/2014/08/blog-post_25.html
【itak】ご参加のみなさんにもたくさんのご声援を頂き有難うございました。
来年の試合もとても楽しみです。皆さんの益々の応援をよろしくお願いします。


下記内容にて【itak】の第15回 講演会・句会を開催いたします。
どなたでもご参加いただけます。
今回は俳句集団【itak】幹事、平 倫子さんによる講演会を
行います。
多くの方々のご参加をお待ちしております。
第一部のみ、句会の見学のみなどのご参加も歓迎です。

また、実費にて懇親会もご用意しております。お気軽にご参加ください。

◆日時:平成26年9月13日(土)13時00分~16時50分


◆場所:「北海道立文学館」 講堂
     札幌市中央区中島公園1番4号
     TEL:011-511-7655


■プログラム■

 第一部 講演会
    『ラフカディオ・ハーンの真面目(しんめんもく)』
     ~「一つの民族の経験の総和よりも大きな記憶」をキーワードに~

 講 演 英文学者・俳人 俳句集団【itak】幹事 平 倫子 

 第二部 句会(当季雑詠2句出句)

 <参加料>

 一   般  500円
 高校生以下  無  料(但し引率の大人の方は500円を頂きます)


※出来る限り、釣り銭の無いようにお願い致します。
※イベント後、懇親会を行います(実費別途)。
 会場手配の都合上、懇親会は事前のお申し込みが必要になります。

 会場および会費など、詳細は下記詳細をご覧ください。


■イベント参加についてのお願い■

会場準備の都合上、なるべく事前の参加申込みをお願いします。
イベントお申込みの締切は9月11日とさせて頂きますが、締切後に参加を決めてくださった方もどうぞ遠慮なくこちらのメールにお申込み下さい。
なお文学館は会場に余裕がございますので当日の受付も行います。
申し込みをしていないご友人などもお連れいただけますのでどなたさまもご遠慮なくお越しくださいませ。
参加希望の方は下記メールに「第15回イベント参加希望」のタイトルでお申込み下さい。
お申し込みには下記のいずれかを明記してくださいませ。
①講演会・句会ともに参加(当日13時までに受付にて投句願います)。
②第一部講演会のみ参加
③第二部句会のみ参加(前日までにメール・FAXなどで投句して頂きます)。
特にお申し出のない場合には①イベント・句会の通し参加と判断させて頂きます。

■懇親会詳細と参加についてのお願い■

 会場:札幌パークホテル ピアレ(2階席)
    札幌市中央区南10条西3丁目
 時刻:17:30~19:30
 会費:3500円(飲み放題つき)


※イベント受付時にご精算をお済ませください。
※当日のキャンセルは後日会費を申し受けます。

準備の都合上、こちらは必ず事前のお申し込みをお願いします。
懇親会申し込みの締切は9月9日とさせて頂きます。
以降はキャンセル待ちとなりますがお問い合わせください。
参加希望の方はイベントお申し込みのメールに ④懇親会参加 とお書き添えください。
 
   itakhaiku@gmail.com

ちょっとでも俳句に興味ある方、今まで句会などに行ったことのない方も、大歓迎です!
軽~い気持ちで、ぜひご参加ください♪
句会ご見学のみのお申込みもお受けします(参加料は頂戴します)。

北海道立文学館へのアクセス
※地下鉄南北線「中島公園」駅(出口3番)下車徒歩6分
※北海道立文学館最寄の「中島公園」駅3番出口をご利用の際には
①真駒内駅方面行き電車にお乗りの方は進行方向先頭部の車両
②麻生駅方面行き電車にお 乗りの方は進行方向最後尾の車両に
お乗りいただくと便利です。



大きな地図で見る

2014年8月25日月曜日

第17回松山俳句甲子園全国大会・結果発表



俳句集団【itak】です。

第17回松山俳句甲子園全国大会はこの週末、8月23日、24日の二日間にわたって愛媛県松山市において無事に開催されました。結果の発表が公式ページにアップされています。

優  勝  開成高等学校 (東京)
準優勝 洛南高等学校B(京都)

両校のみなさん、おめでとうございます!
今大会も秀句が飛び交い、ディベートが白熱するものであったようです。
勝っても負けてもやっぱり俳句っていい!勝ち残れなかった高校のみなさんも、それぞれの果実を鞄に詰めて持って帰ったことと思います。

わたしたち【itak】の仲間、北海道代表の旭川東高校は第一日目の予選グループを勝ち抜き、決勝トーナメントに進んだ上に、その第1回戦を勝利。残念ながら第2回戦では敗退したものの、北海道代表としての過去最高の成績を修めました。また、ディベート賞を池原早衣子さんが受賞し、札幌会場の熱気そのままに道産子パワーを全国に知らしめるという快挙!来年につながる太いバトンをゲットしました。がんばった君たちに、麦茶で乾杯です!
 
三年生はこれが最後の大会。自分たちが得たものを後輩に受継がせるべく、部活に勉学に励んでください。時間とお小遣いがあるときには、みんなでまた【itak】に来てくださいね。

それじゃぁ第18回俳句甲子園に向けてファイトっ!道内他校のみなさんも、来年は是非参加してみてください。どこの学校でも全面的にバックアップします。なんでも聞いてくださいね!【itak】は来年も、みなさんを応援します!そして人数が揃わなくて俳句甲子園にエントリーできない文芸部の君たちのなかで俳句を作っている諸君も、是非一度俳句集団【itak】に来てみてください。実際の句会を一緒に楽しみましょう。
 
※昨年の大会に北海道代表として出場した【itak】の仲間、堀下翔君(旭川東高校OB)が今大会を観戦して参りました。そこで、今回はOBの眼から見た会場の様子を、大会観戦記としてまとめてもらうことになりました。近日公開です。どうぞお楽しみに!
 

 

2014年8月21日木曜日

第17回松山俳句甲子園全国大会はいよいよ明後日!




 
俳句集団【itak】です。
毎度ながら勝手に俳句甲子園を全力で応援しております。

第17回松山俳句甲子園全国大会はいよいよ明後日8月23日(土)から二日間にわたって愛媛県松山市において開催されます。地方大会を勝ち残った各校と投句審査で選抜された36校の選手たちが俳句の本場・四国の夏を戦います。

8/19・俳句の日には、TBS系の朝の情報番組「いっぷく」に夏井いつきさんが出演されて、堂々「俳都松山宣言」をし、見事に「俳句甲子園」の露払いをなさってました。

北海道代表は【itak】の仲間・旭川東高校。道産子パワーを見せつけてきてくれることをおおいに期待します。俳句を目いっぱい楽しんできてください。
そして秋の気配の北海道から一気に残暑厳しい四国に行く君たちは、脱水に気をつけなくてはね。麦茶飲んでがんばれ!
 

大会に先立ち、明日22日にはウェルカムパーティーが開かれます。明後日は互いに好敵手となる生徒たちが顔を合わせることになります。この数日間で一生の友人に出会えるかもしれません。一刻々々が実り多い時間であるよう、心より願っています。

 
準決勝・決勝用兼題は7月16日に発表されています。
【準決勝用】の『写』、そして【決勝用】の『生』で戦うためには、『夜店』『炎天』『飛魚』『汗』『柿』で、8月23日の予選を勝ち上がらなくてはなりません。参加各校全力を尽くして、熱く戦ってください!
24日の敗者復活、準決勝、決勝に残るのは果たしてどこの学校なのか、どんな俳句が飛び出すのか。今から楽しみにしています。


ニコニコ動画で大会の様子を中継される予定です。遠方の方はどうぞご視聴ください。お近くの方は是非とも観戦にお出かけください。URLは以下です。
 http://live.nicovideo.jp/watch/lv189565162


※直前に審査員の交代が発表されています。特別審査員の石田衣良さんが体調不良のため、神野紗希さんと交代となりました。第17回「俳句甲子園」審査委員プロフィールは以下です。
 http://www.haikukoushien.com/list/index.php/topics/285/

 

2014年8月18日月曜日

涼野海音 『一番線』 を読む ~鈴木 牛後~



涼野海音さんの句集「一番線」を読んだ。
この句集は、昨年の、第4回北斗賞受賞作を一冊にまとめた句集ということだ。賞に応募した作品ということで、手堅くまとめているという印象を受けた。
実は私にとって、このような凹凸の少ない、手堅い句集について何か書くというのはなかなかに難しいことだ。句集について何か書くときには、いわば句集の句の表面からはみ出したものを捕まえて、それを手繰り寄せながら文章にしていったりするのだが、そういうものが見つけられないからだ(こんなこと書いている時点で、文章力のなさを表明しているようなものだけれど)。
というわけで、集中から好きな句を拾い出してみたいと思う。


 ボート漕ぐ後ろに森の暗さあり

ボートの句といえば、青春や恋を詠んだ明るいものが多いが、掲句は背後の森の暗さに注目したところが眼目だろう。恋人同士が楽しく二人だけの世界に浸っているボート。しかし、その後ろには暗い森が控えている。それは、恋に代表される人間のささやかな営みも、しょせんは自然の法則からは逃れられないという暗示のようにも感じられる。


 馬なでし手を洗ひゐる良夜かな

馬という生き物には不思議な魅力がある。私は牛飼いだが、牛と馬は見た目は似ていてもその内実はずいぶんと違うような気がする。馬には人間の機微に触れる何かがあるのだ(飼育頭数の違いなどもあるとは思うが)。そんな馬でも、触れたあとには手を洗う。人によってはかなり丁寧に洗うことだろう。それは、つながりかけた馬との紐帯を切り離す作業かもしれない。それでも、馬も人も同じ名月の下にいるのだ。


 東京を遠しと思ふ落葉かな

東京と聞いていつも思い出す歌がある。マイペースというグループが歌った「東京」。「東京へはもう何度も行きましたね、君の住む花の都」という歌詞だったと思う。学生時代の先輩が東京出身で(北海道の田舎大学までよく来たものだと思う)、カラオケでよくこの歌を歌っていた。今では東京を「花の都」と思う人はいないだろうが、それでも憧れはある。ネットで俳句のイベントなどの情報を読むたび、当地と東京の距離を思う。落葉の季節ならなおさら。
とここまで書いて思ったのだが、作者は東京より温暖な地域に住んでいるので、落葉は東京より遅いんだよね・・・。


 旅鞄枯野の匂ひありにけり

五十嵐秀彦さんの、「旅鞄向日葵の他なにもなし」という句を思い出した。ともに、日常を束の間離れてゆく旅の、唯一の同行者である鞄への思いを詠んだ句だ。冬には冬の、夏には夏の心象風景。私も旅鞄を抱えてどこかに行きたいという思いにかられる。



☆鈴木牛後(すずき・ぎゅうご 俳句集団【itak】幹事 藍生)


2014年8月16日土曜日

俳句イベントのお知らせ


俳句集団【itak】です。
俳句イベントのお知らせです。
9月末に滝川市のたきかわホールにおいて俳句イベント「HaikuBar」が開催されます。
【itak】幹事・山田航さんと第12回イベントの講師・月岡道晴さんが出演します。
ホストは新感覚青春小説『いるか句会へようこそ!』を先日上梓された堀本裕樹さん。
以下主催者である滝川市教育委員会社会教育課の記事を転載いたします。


Haiku Bar【大歓迎ならいらない 限界だ】開催決定!!



たきかわ文化村推進委員会の主催で、バーにいる雰囲気で繰り広げられる参加型句会ライブ、「HaikuBar」の開催が決まりました。

参加される方は事前に投句していただき、会場で選句をいたします。投句がなくても参加することができますので、俳句未経験の方も是非!!・・・

お題は「秋の夜」。新進気鋭の歌人、俳人とともに、日本が誇る定型詩の魅力を楽しみませんか。


【大歓迎ならいらない 限界だ】は、ゲストにお招きする歌人・山田航さんの回文(上から読んでも下から読んでも同じ文章になる言葉)。言葉って、本当にオモシロイ。



■日時 9月27日(土)18時開演(17時30分開場


■場所 たきかわホール 
滝川市栄町3丁目9番2号 スマイルビル 3階(滝川駅前)


■出演 


ゲスト 歌人 山田航さん

      歌人集団「かばん所属。現代短歌評論賞、角川短歌賞受賞
ホスト 俳人 堀本裕樹さん

      いるか句会・たんぽぽ句会主宰。第36回俳人協会新人賞受
司 会  歌人 月岡道晴さん

      近作「「ん」のあたり」(歌壇4月号)、「都市の標本」(うた新聞平成25年12月号)

■お題 「秋の夜」


■投句方法 おひとり様一句投句できます。名前、住所、電話番号を記入してください。


①はがき・持参

  〒073-8686 滝川市大町1丁目2番15号 滝川市役所7階
             滝川市教育委員会社会教育課
②FAX

  0125-24-1024(滝川市教育委員会社会教育課宛て)
③メール

  syakai@city.takikawa.hokkaido.jp

■投句締切 9/19(金)

■参加費 1,000円(ワンドリンク付き・チケットを下記の場所でお求めください)


 滝川市教育委員会社会教育課、駅前ひろば く・る・る

 たきかわホール、たきかわ文化センター


2014年8月14日木曜日

鈴木牛後『暖色』を読む ~籬 朱子~





 深雪晴乳のかすかな暖色に

 
 
牛後さんの句集の句はどの句も実感に裏打ちされた句で、今までに目にしたことのない内容であった。
私は牛後さんの広い牧場をふらふらと散歩しながら、句が詠まれた場所に自分がいる様な心地よい錯覚を覚えた。
その中でもこの句は、乳という命の源への凝視を感じて思わず足が止まった。
 
 
私ならば、乳の色に変化があることを認識できるだろうか。けして出来ないだろう。
深雪晴れという天の与えてくれた束の間の休息。<乳のかすかな暖色に>春とも言えない春を感じ取っている作者の感性に心が温かく、明るくなった。
 
句集名ともなった<暖色>。その色を牛後さんは俳句で示してくださった。
これほど慈しみ深い色を、私は見たことも感じたこともなかった。
  


☆籬 朱子(まがき・しゅこ 俳句集団【itak】幹事 銀化)
 


「句集スタイル」はこちら⇒http://www.marukobo.com/style/

 
 

2014年8月12日火曜日

鈴木牛後『暖色』を読む ~松王 かをり~




『暖色』という句集名通りの〈あたたかな〉句がいっぱい詰まっていて、掌サイズの可愛い小さな句集に圧倒された。この〈あたたかな〉という言葉は、「命のあたたかさ」に繋がっていくが、けれどそれは、必ず「死」を孕んでいるものなのだ。そういう〈深いあたたかさ〉に圧倒されたということなのだと思う。


 夏草の焦点として山羊の尻


第一句集の『根雪と記す』に、次のような句がある。〈牛啼いて誰も応へぬ大夏野〉広い広い緑の夏野を、牛の啼き声だけが渡っていくという、まさにザ・北海道というようなスケールの大きな句である。ところで、掲句もまた、一面の「夏草」の広がる情景であるが、こちらには「焦点」が存在するのである。それも「山羊の尻」という実に魅力的な「焦点」。緑の夏野の中にある白い山羊の尻に向って、焦点が絞られていく。その結果、〈牛啼いて〉の句より視野が狭まって、スケールも小さくなったかというと、さにあらず。焦点を見い出したことによって、かえって鮮やかに夏野を描き出しているし、読み手もいっそうの夏野を感じるのである。他にも〈緑陰の動いて牛の動かざる〉〈牛臥して鼻の先まで虫の闇〉もそうであるが、第一句集より、いっそう句の陰影が深くなったような気がする。けれどまた、さりげない日常を詠んだ〈作業着を干して鉤裂きより冬日〉、ユーモアの〈雲海へ王のごとくに放尿す〉など、愉しい句も時々顔を出す。牛後さんの人となりを殆ど知らないのであるが、まじめ、誠実といった面と、楽天的、剽軽といった面とを併せ持った人ではないかと、思わず想像してしまうのである

 
 
 
☆松王 かをり(まつおう・かをり 俳句集団【itak】幹事 銀化)
 

「句集スタイル」はこちら⇒http://www.marukobo.com/style/

 

2014年8月10日日曜日

俳句集団【itak】第14回イベント抄録


俳句集団【itak】第14回イベント

一般社団法人北海道古民家再生協会理事長 江崎幹夫さん講演会

 
『 北海道の古民家について 』


2014年7月12日@北海道立文学館

 

 俳句集団【itak】は7月12日(土)、14回目のイベント・句会を道立文学館(札幌市中央区中島公園)で開きました。今回は、一般社団法人・北海道古民家再生協会(札幌)理事長の江崎幹夫さんが「北海道の古民家について」と題して講演しました。江崎さんは建築会社を経営しながら、古民家鑑定士として古い建物の活用などに取り組んでいます。江崎さんは、道内に残る古民家を写真で紹介しながら、古民家の定義や特長、保存活動について説明しました。講演の要旨を紹介します。

 

■古民家とは?

古民家鑑定士は、厚生労働省認可の財団法人職業技能振興会が認定している資格で、6年前にできた資格です。古民家というと藁葺き、茅葺きの建物を想像すると思いますが、鑑定士の教本の中には「築50年以上に経った、伝統構法及び在来構法で建てられたもの」とあります。伝統構法は、昭和25年より以前に建てられたもので、金物をあまり使わない。在来構法は建築基準法のできた昭和25年以降の建物で、金物で固めています。伝統構法は免震的。むしろ現代的な考え方です。なぜ50年以上かというと、国の文化財登録制度で「工作物は50年経ったら文化財に登録できる」という制度があるからです。

総務省統計局が5年に一度取っている統計によると、古民家は2008年に5万7000棟残っています。昭和25年(1950年)以前のものは2万5500棟。昭和26~35年は3万1500棟。合計で5万7000棟です。

意識しないと気付きませんが、札幌市内にも多くの古民家が残っています。6200棟近く残っていると思われます。自転車や歩きながらだと古民家が見えてきて、面白いですよ。一方、毎年2000~2500棟が解体されて、ごみになっています。ただ、50年という基準なので、統計的には増えているかもしれません。伝統構法は減ってくるけど、在来構法(の古民家)は増えていくということです。

古民家鑑定士は全国に6500人います。道内には85人。建物の建材や古材の価値を評価するのが古民家鑑定。不動産の鑑定はしません。不動産鑑定では、建物は30年で評価がゼロになります。固定資産税も30年経つと評価はほぼゼロ。100万円で建てても、30万円で建ててもゼロ。何か変だと思うのですが、古民家の鑑定は、不動産とは観点で評価します。法的には評価はゼロかもしれませんが、違う評価があるからです。古民家を持っている人は、「この家はボロでどうしようもない」と思うかもしれませんが、そうではなくて、違う価値がある。古民家を持っている人が「少し価値があるなら残していこうかな」と思ってもらえるといいですね。そうした意識を変えていくために(古民家再生の)活動をしています。

 

■古材の再活用

古民家の再活用には4つに方法があります。

①現地再生。その場で直す。暗い、寒い、使いづらい。古民家にある三つの問題を現地で直します。良いところは残して、水回りなど使いづらいところ、断熱、耐震など構造的な部分も直します。

②移築再生。これは北海道開拓の村(札幌市厚別区)などにあるパターンです。移築するので、一番、手間がかかるかもしれません。開拓の村では、茅葺きを直すのに5千万くらいかかるといいます。本州に行くと自分たちで直しており、そんなに難しくない。(開拓の村は)少し高すぎるかなと思います。ただ、北海道の場合、技術者がいないので、道外から連れてこないとならないという面があると思います。

③部分再生。ニシン番屋など広くて寒い建物に対して、居間と寝室だけを直すような再生の仕方です。

④古材(こざい)の再利用。古材は固くて丈夫です。古材は古いから弱いと思う人もいるかもしれません。ところが、木材だけは年を経ることで強くなります。100年で、新材のときより1.1~1.2倍くらいになる。古いから弱くてだめ―というわけではありません。実際、古民家や木の住宅は100年、200年も残っている。法隆寺は1400年経っても建っていますね。もちろんメンテナンスはしていますが、なぜ法隆寺の五重塔が1400年も持っているか? それは水回りがないからです。水回りがあるとやはり腐ります。古民家は、「田」の字に建てられているのが特徴です。しかし、トイレなどの水回りは(田の字の)横に付く形で置かれる。大工さんは経験上、木は腐るということを知っているので、水回りを離して建てているのです。

 

■環境に優しい

愛媛大学との共同研究で古民家に含まれているCO2を計算した数字があります。1立方メートルの古材には、炭素が230㌔入っていました。46坪の古民家を調べたところ、古材は17平方㍍あった。17平方㍍×230㌔で炭素は3910㌔。炭素を二酸化炭素に置き換える計算式(3910×44÷12)にすると、1万4337㌔(約14トン)のCO2となります。木材だけでの数字です。ブナの木が1年間に吸収する二酸化炭素の量はわずか11㌔です。これを14トンで割ると、1303本の木が必要となります。北海道ではブナは黒松内くらいしかありませんが、例えばトドマツでは14㌔を吸収。それでも1003本のトドマツに匹敵します。古民家を残すことは環境に優しいということにつながります。さらに、大工さんの技術も残せると思います。

 


■道内の古民家

北海道には全国各地から入植した人がおり、さまざまな様式の古民家が残っています。

①ニシン番屋

日本海側に多く見られ、ニシン漁で繁栄した建物です。

②和洋折衷

札幌など道内の都市にある古民家は和洋折衷が多く見られます。

ワクノウチ造りなどの農村民家

ワクノウチ造りに代表されるに内陸部に見られる農村の民家。
田の字型の建物で、農村の民家に多いです。
明治中期から見られます。ワクノウチは富山県の造り方です。

④バルーンフレーム工法

伝統工法です。北海道開拓使の建物でアメリカの様式。時計台、豊平館、農学校などです。

 


 ■自然素材の家

日本の住宅の寿命は30年と言われます。イギリスは石造りが多いですが、平均144年。米は木造でも104年。日本がいかに短いか分かります。なぜ日本の住宅の寿命が短いのか? 住宅産業としての産業構造があるためだと私は思います。スクラップアンドビルド(壊して建て替える)を行い、住宅メーカーや銀行(金利)が稼ぐため。国の政策だと私は思っています。われわれは、そうしたサイクルをやめて、古民家に学び、長持ちする家、100年から200年もつ住宅を目指しています。

米国では、長持ちする家を建てて、次の代の人はローンを払わなくてよい。日本でもそうしたほうがいいと思います。ただ、ハウスメーカーからは怒られますが。

古民家は自然素材を使っています。だから昔はシックハウスというものはありませんでした。今の中国では、シックハウスで亡くなる人、中国政府が発表していますが、年間220万人に上ります。5歳以下の子供が多い。

有害物質について、日本でも国の基準がありますが、出来たときに出なければよいというものです。5年後に有害物質が出てきても関係ない。定着物質は3年くらい定着していますが、3年したら外に出てきます。病気になったら困るから、24時間換気というものが必要になってきます。自分の体は自分で守るしかありません。国は守ってくれません。

古民家は自然素材で出来ています。しかし、今の住宅に使われている木材は、強制乾燥が多い。天然乾燥、自然乾燥は数えるくらいしかありません。1週間、130度の蒸気をあてて乾燥させています。植物ですから、熱い温度はだめです。残念ながら自然乾燥をしている木材業者が数少ないですが、これから自然乾燥が出てくることを期待しています。

 長持ちする家造りには、自然乾燥材の木材を使い、自然素材の内装材を使う、什器類に費用を掛けすぎず、構造にお金を掛ける。家を長持ちさせることで孫子の代までローンを返し続ける必要がなくなります。住み手も勉強することが、長持ちで快適な家造りにつながると思います。

 

 ■古民家フォト甲子園

 最後に毎年、古民家再生協会が共催している古民家フォト甲子園(一般社団法人住まい教育推進委員会)の宣伝をさせてください。

高校生を対象とした大会で、古民家を生徒たちに撮影、投稿してもらいます。今年は8月31日が締め切りです。高校生のお知り合いがいたら、ぜひよろしくお願いします。大会のホームページは、http://www.kominkaphoto.com/
 

 
えざき・みきお
・昭和29年生まれ
・一級建築士
・一級古民家鑑定士
・伝統再築士
株式会社AI建築 代表取締役
・一般社団法人 北海道古民家再生協会 理事長
・北海道開拓の村の古民家及び古建築を守る会会長
・国家戦略古民家特区招致委員 
 
 
 
 


 
 

☆抄録:久才秀樹(きゅうさい・ひでき 北舟句会)

 

2014年8月8日金曜日

『 ここで一句 』 札幌西高等学校第19代校長 平野謹三先生を偲んで ~増田 植歌~

 

『ここで一句』
札幌西高等学校 第19代校長 平野謹三先生を偲んで
 増田 植歌

「ここで一句」── 沸き上がる「ウォー」という歓声と拍手。私たちは、平野校長先生の俳句を聞くのではなく、立たされた集会から解放される合図として反応した。訓話の最後に必ず俳句を私たちに披露してくださった。それはおよそ30年経った今でも、思い出に残る。
1981(昭和56)年12月、校長先生が最初で最後の句集『冬怒涛』(673句)を発行されたのを、私は当時知らなかった。1984(昭和59)年、私たち西高34期卒業時に、438名全員の名前を織り込んだ俳句を作り、色紙に書いて渡してくださった。全部積み上げたとすると1枚2ミリの厚さ、90センチ近くになる。当時は感慨のなかった俳句だけれども、今じっくりと読んでみると、校長先生の俳句に対する思い、私たちに対する思いが、伝わってくる。
 
平野校長先生は、34期が卒業すると同時に教職生活を終えられ、ご自宅で第二の人生を送られたそうだ。惜しくも2003(平成15)年12月、お亡くなりになり、私たちと共に西高の百周年を祝うことが出来ないのは、残念である。
 集会で披露した句、私たちが卒業時に頂戴した俳句の一部をここに収録した。溌剌と俳句を披露してくださった平野校長先生の声と姿を思い出しながら、読んでいただきたい。収録にあたっては、国語科大嶋寛先生が丁寧に纏め遺してくださった『「そこで一句」集』の他に、資料として『札幌西高新聞』をはじめとする発行物、34期が各自保管していた色紙を参照した。
 
        訓話・旅吟(昭和56~59年) 
芽木の窓明日ある出会ひまたひとつ    1学期始業式    56年   4月8日
ひびき合ふ何かが充てる木の芽かな    対面式                   4月9日
万緑の底青春の朝生まる         運動会                  6月14日
少女像双手に青嶺抱きをり       2学期始業式             8月20日
オーケストラ胸の底まで青嵐      管弦楽団第12回演奏会   8月25日
雪晴や避難訓練整然と         避難訓練               12月21日
冬銀河生徒の眼負ひ明日の背     2学期終業式            12月22日
卒業の視野離れざる大雪嶺      32期卒業式     57年   3月10日
入学の眼にゆるぎなき残雪嶺     35期入学式              4月8日
大いなる出会ひの窓や風光る     対面式                    4月9日
明日創る力青嶺に谺なす       運動会開会式              6月13日
雲払ひをり立秋の蒼穹像       2学期始業式              8月19日
オーケストラ新しき星殖やしをり
    管弦楽団創立70周年記念第13回演奏会『北の道程』              8月26日
心継ぐ古稀の母校や天高し      70周年記念式典        10月2日
平安の旅の出発天高し        修学旅行しおり          10月19日
翔つ前の息鎮めをり初鴉       始業式               58年   1月20日
風花や白樺に目ののこりをり    33期卒業式               3月10日
卒業やこころの奥に雪嶺聳つ    PTA広報誌ひろば         3月10日
眼の底の雪嶺明日をひらきをり   36期入学式               4月8日
ふれあひの芽ひびきあひこの眼鏡  対面式                     4月9日
青嵐睦みつなげり大飛球      野球東西戦                 7月2日
灼けゴビに長城力尽きゐたり    中国旅行嘉峪関にて『寒来』 8月3日
流星の始め終りや沙漠の中     中国旅行敦煌にて『寒来』   8月3日
胸奥の銀河揺れをりオーケストラ  管弦楽団第14回演奏会『北の道程』   9月8日
卒業の天ひろげをり芽白樺    贈卒業生(34期卒業記念品に)59年 3月10日
芽白樺母校上向くものばかり   西高新聞         3月10日
 
色紙の句
   新年
大雪山引きよせ引きよせ吾子の凧    『冬怒涛』旭川 
               
春日の長き道歩々急ぐなし
望み満つ雪間の黒土香を放つ   
雪解けてその丸みつつ石ひとつ   
橋渡り万の木の芽に会ひにけり   
芽吹き初む森が結べる香かな   
萌え出づる力見えくる原野かな   
芽落葉松明日への樹液滾りをり   
谷風の幸便満つる芽白樺   
空広し必至に滾る芽白樺   
               
北限の植田や空の動かざる           
泉の香嗅ぎあてし馬天仰ぐ 敦煌にて『寒来』
大雪山に羽翼を試す若き鷹   
天高く雅志宏げをり夏の樺
             
胸に聳つ初冠雪の大雪山   
始業ベル秋蝶の宙動きたり   
香りをり稲田の上の真澄空
 
              
大寒の空怺へをり少女像*   『北の道程』宮の森
風雪に耐へ力増す樺一樹   
雪山河動かざるもの動くもの   『冬怒涛』旭川
雪野貫く一条の川史創る   
一凍河流れの芯の巧まざる    『北の道程』北見
冬木には冬木のひかり父母の国   『北の道程』宮の森


 ご長男の文昭さんが、遺された資料を探してくださった。出来れば438人全員の俳句が残っていれば、と望んだものの、およそ30年前のこと。叶わなかった。1983(昭和58)年夏休みに、西高の先生達と一緒に行った中国旅行『絲綢之路紀行』(素稿・2,734句)『絹の道旅吟抄』(1,193句)『熱沙ゆく』(300句)、第二の句集『北の道程』(1,122句)の原稿があった。
 
 退職にあたって西高新聞の取材に、高校生の無気力について訊かれ「西高生を信じているから、絶対そんな事はない」と言い切った。校長の志に応えるように私たちは生きていく必要がある。
 
どの芽樹も母校の歴史負ひにけり    『北の道程』宮の森
 
平野謹三(ひらのきんぞう) 
1924(大正13)年1月21日 茨城県鹿島郡大洋村(現・鉾田市)に生まれる。
                 茨城県立鉾田中学校(現・鉾田第一高等学校)卒業。
1944(昭和19)年 二松学舎専門学校本科(現二松学舎大学)卒業。茨城県で教員となる。
1953(昭和28)年 横浜から北海道に渡る。津別高等学校教諭。
1954(昭和29)年 安藤幹夫に勧められ、俳句の道に入る。57年 月寒。
1955(昭和30)年 寒雷に入会。
1961(昭和36)年 様似高等学校教頭。66年 長万部。68年 月寒。
1971(昭和46)年 熊石高等学校校長。
1976(昭和51)年 北見柏陽高等学校校長。集会時に必ず一句を披露し、恒例となる。
1979(昭和54)年 旭川東高等学校校長。ヨーロッパ、アフリカ旅行。
1981(昭和56)年 札幌西高等学校校長。121日、句集『冬怒涛』発行、題簽、加藤楸邨。
1983(昭和58)年 夏休みの2週間、西高教師らと中国シルクロード旅行。
1984(昭和59)年 3月31日、退職。
            退職後、奥の細道を行く。
2003(平成15)年12月、永眠。戒名、智光院覺道謹順居士。
 
2012(平成24)年10月13日発行
札幌西高同窓会誌『輔仁』95号
開校百周年記念号より転載(一部改訂)
 
*怺へ(こら-へ)
☆増田 植歌(ますだ・うえか 札幌ホトトギス会)