2015年7月23日木曜日

俳句集団【itak】第20回イベントを終えて


俳句集団【itak】第20回イベントを終えて

『 No Music,No Haiku 』
~俳句集団【itak】は止まらない~

 
五十嵐秀彦
 

 


俳句集団【itak】の第20回イベントが去る7月11日に私たちのホームである北海道立文学館地下講堂で開催されました。

いやぁ、正直言って今回のイベントはかなり不安だったのです。
と言うのも、前回の第19回があの夏井いつきさんの特別プログラムで、過去最多の113名の参加(文学館地下講堂の定員は90名)となり、北海道の俳句イベント的にもかつてない盛り上がりを見せた後だっただけに、スタッフは全員燃え尽き症候群を発症(笑)し、ま~30人も来てくれればいいんじゃないの、前回の今回だし~、というかなり脱力した気分だったので。

ところが開いてみれば第1部企画に51名の参加といういつもどおりの盛況にスタッフ一同びっくりすると同時に、【itak】に期待してくれている方々の力強い存在に感謝!
脱力していた自分たちは猛省しなくちゃならんな、と思ったのでした。
何より今回、夏井いつきさんのトークショーと句会ライブの次という誰もがいやがるタイミングにもかかわらず、男気を出して企画を準備してくれた【itak】幹事の恵本俊文さんと大原智也さんのお二人には大いに感謝しています。
 
第1部企画は、恵本俊文+大原智也による『No Music, No haiku』という音楽を題材としたトークショーで、はたしてどんな話しが展開するのか興味津々でした。
これが実に面白かった!
両氏は北海道新聞文化部の音楽担当のOB記者と現役記者ということで、その資料収集力と博覧強記ぶりには舌を巻きました。

おふたりが取り上げたアーティストは次のとおり。
浜田真理子ジョン・レノンアグスティン・ペレイラ・ルセーサカナクション(山口一郎)、大江千里岡林信康シシド・カフカ三波春夫友部正人友川かずきパフューム山下洋輔などなど。
そうしたアーティストたちが直接俳句について語ったことや、あるいは俳句作品、俳句にインスパイアされたことなど、実際に曲の一部を流しながらラジオ放送のDJ風に自由に語る内容は、楽しくもあり刺激的でもありました。
さらには音楽をモチーフとした俳句の紹介もあり、盛りだくさんの内容と、その「午前3時あたりの深夜放送」でも聴いているような雰囲気のおふたりの語り口に時間を忘れる思いでした(そんなことでかなり時間オーバーwww)。
 
俳句集団【itak】のイベントの特徴は、前半のこの企画に依るところが大きいと考えています。
もちろん俳句をテーマとした企画もいたしますが、俳句とは別のことをテーマとした企画もこれまで多数やってきました。
一見俳句と遠いように思えることでも、そこから刺激を受けることが多く、ともすると俳句を狭い世界にしてしまってそこに閉じこもる傾向がなきにしもあらずの状況の中、他のジャンルに目を向けてみることは今後の俳句の可能性を広げることに通じると私たちは考えています。
俳句の作り方の勉強も大事かもしれませんが、俳句も文芸表現であるならばなにより発想を豊かにしないことには何もできないはずです。
【itak】のイベントからなにか少しでもヒントを得ていただければ、私たちにとってそんなうれしいことはありません。
今後も微力ながらこの方向性で企画を打ち続けていこうと思っています。

【itak】の企画で使ってみたらどうだというアイデアがありましたら、どうぞ遠慮なく会場の幹事にお伝えください。参加者みんなで作っていくのが俳句集団【itak】です。
1回でも参加すれば、もう【itak】の会員。その自由な考えにもとづいて運営されています。今後ともご参加・ご協力、よろしくお願いいたします。
 
第2部の句会も50名(うち選句のみ参加2名)でにぎやかに行うことができました。
ご参加の皆さまお疲れさまでした。
次回、第21回イベントは下記のとおりです。

◆日時:平成27年9月12日(土)13:00~16:50
◆場所:北海道立文学館 地下講堂
◆第1部企画:ゆるゆるトークショー『鴨々川ノスタルジアってなあに?』(仮題)
スピーカは石川圭子さん(鴨々堂女将)、山田航さん(歌人)、土肥寿郎さん(寿郎社)
鴨々川という札幌でもマイナーなスポット(とは言えすすきののど真ん中)を郷土史的に掘り起こす活動の中心人物・石川圭子さんと、その活動をムック出版に繋いでいる出版社寿郎社の土肥寿郎さん、そのムックの執筆者であり責任編集人の歌人山田航さんが、「鴨ノス」ということについて語ります。これも見逃せない企画ですね。
では9月に、またお会いしましょう。


 

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